「地球語」とは?


. . . . . . . . . . (1996年記、更新:2005年8月)

地球語とは?: なしくずしに英語を共通語にしていっていいのか?理想の共通補助言語は?
地球語の方針
: どんな姿勢で開発推進するか?
原始・英語共通化・地球語共有の三社会を比較する: 持続する未来は、原始性ともつながる・・

「地球語」とは?

ヒト社会の支え

毎日これなしでは暮らせない「ヒト社会の支え」はなんだろう?
空気や水、衣食住の環境はいのちにとって欠かせないが、
それはヒト社会だけのことじゃない。

ヒト社会の最大の支えは「言語」だ。
言語を使わずに、あなたは今日一日暮らせるだろうか?
「できる」とおもったあなたは、
すでに「できる」ということばを自分の中で使ってる。

ヒトの根っこは、しっかりと言語に結ばれ、
言語によってヒトはヒトになり、考え、社会が動く。
言語を超越した愛と悟りもヒトは求めるが、
そこにたどりつくにも言語のたすけがいる。

「言語」は、イメージや考えを計り、貯え、運び、
他者または後の自分に伝えるための器だ。
共通の器をもった間でのみ中身を伝え合える。

交流が地球枠にひろがり、複雑化する中で、
新しい社会を支える「言語」は成りゆきまかせでいいのだろうか?
今、それを問いなおすときだと、あなたは思わないか?

文化と密着する伝統言語

ヒトは原始より助けあわねば生き延びられなかった。
子に知恵をさずけ、仲間と感情を分かち、協力しようとする中で、
最初は 自然に体を動かし、感情を声にし、全身で伝えただろう。、
そして伝え方を省エネしながらルールができて言語となった。

やがてヒトの祖先は地球上に散り、土地に適応して暮らしを開拓した。
それぞれの環境や歴史・文化に応じていろんな言語が育った。
万年かかって、民族が分かれ、今世界には、
数千のことなる伝統言語(文化の器)が存在する。

最近まで千年一日に暮らせた地域では、言語も単純なままだ。
海に囲まれ四季移ろう島国に永く定住した日本人の言語は、
論理的に主張するより、調和と共感を呼びやすいように発達した。
英語民が征服や開拓を進め、文明の先頭を走れたのは、
外来語の受けいれをルーズに許し、
主客を対立させて一直線に論理をすすめ、
競争をあおり、効率を優先させる英語のしくみと歴史が、
考えを支え、押し進めたからだといえる。(参照1 参照2)

このように伝統言語は、それぞれに潜む歴史によって、
使用者の考えや生き方を無意識のうちに性格づける。
歴史の根は、しくみの奥深くにからまっている。

共通語の今

統治や交流の範囲がひろがると、
母語で伝わらない間をつなぐ共通語が必要だ。

過去には、征服者の言語の利用が新領域で強制された。
強制されなくてなっても、弱者は強者のあとを追う。
今も、強者の英語の共通化が世界中で加速している。

そして世界中が英語に潜む考え方に染めかえられてゆく。
弱い民の言語は、効率優先と引き換えに、
保ってきた独自の知恵とともに、次々に消えてゆく。
あらゆる伝統的な考え方が、英語の影響で変形してゆく。

永い歴史が培った文化の幹を「力」でゆがめられたくない、
差を利用して富む競争で、さらに差を開く社会は許せないと、
紛争やテロや、それを脅し押えこもうとする戦争が起きている。
軍事力やお金の「競争」は、調和より敵対の関係をひろげ、
世界中をストレスに巻き込む。
自然環境をいためて、いのちの循環を弱める。

一方、ヒトはもう、文明から後戻りはできない。
科学や技術やアートの「競争」は、未来も魅力に満ちる。
このように、英語とともに育った競争主義や
効率優先の考え方は、ヒトにとって両刃の剣だ。

自分に返る刃を想うとき、英語民もまた英語尺度だけでなく、
外から自分を計るもうひとつの目がほしい。
また、共通語化による窮屈さにしばられることなく、
活き活き英語の変化をたのしみたい。
それでいて情報の整理や取り出しはらくにしたい。
文化の咲き競いが、利欲競争に呑みこまれないよう、
他の社会のみんなと協力のネットも張りたい。

しかし差を支える共通語下では、これらはいつまでもむつかしい。
グローバル社会には、 柔軟でゆるぎない「考えの器」がほしい。
最初から地球規模に合う基準としくみをもち、
伝統をねじまげずに対等に世界を支える言語がほしい。

グローバル社会ははじまったばかりで、それがまだない。

新しい世界を支える器「地球語」

自然が多様ないのちを育て循環させて、
とりどりの花を咲かせているように、
文化の花々も活き活きと共存させたい。
頭をよせあって、共存を支える新しい器を持ちたい。

資源をついやし、環境をいため、恐怖や闘争をあおる
軍備競争は止めにして、
資源に頼らずに、協力・共存・調和をすすめる備え、
そして環境をいっしょに護り、個人の創造も支えながら、
ヒトの未来を照らしだすための備えを、みんなで持ちたい。

この備え:地球社会を支える新しい伝達の器に、
わたしは「地球語」と仮に名づけた。(初発表1992年1月)

地球語は、外国語のようには学ばない。
幼児期から母語を学ぶのさえ助け、
それぞれの母語であつかう、みんなの補助言語だ。
母語を殺さず、むしろよりよく育てるように手伝い励ます。
そうしながら、それを持つだけで、
世界中のだれの表現にも自分でじかに理解の戸をひらく。
互いの背景の違いを確かめながら相手をわかってゆく。
ある日どこで突然目や耳や手足が働かなくなっても、
意思疎通に困らず、遠い未来にもメッセージが届く、
そんな新しい世界を支える言語だ。

こんな「地球語」が夢ではない。
具体的な言語のしくみの試案も、 字典 の建設もすでに進んでいる。
言語の素人が、読者に教えられ励まされながら取り組んだしくみだが、
過去のさまざまな伝達の知恵をまとめたシンプルな基礎が、
つながり合い、多手段に展開して未来を支えようとする。

この案をたたき台として、地球語が補助する新しい社会を招きよせたい。
何かをともに育てる間で、ヒトは励ましあい、やさしくなる。
地球語の芽がまだ小さいうちから、
遠い未知の仲間同士が心つながりはじめると、わたしは信じる。
戦争反対、核反対、汚染反対を叫ぶよりも、
ゆったりとして、しかも早く世界をまるくする、
地球語は、そんなふうに誕生しようとしている。

「地球語」の方針 (シンボルを使って)

自然が基
(大きく覆う形:自然)
地球語は、特定の伝統文化」ではなく、ヒトに共通の認識要素を含む「自然」に基づく。 また、ヒト共通の感性を手がかりに、みんながなるべく 自然に使える手段を目指す。

源を意識
(源(記号の左方)が行く手(右方)を照らし、一貫する形:真/貫く)
原始の光を未来に届け、真・誠・美の大切な道を見やすくする。

いのち (心)と上下反対の形:いのち)
いのちの感覚を大切に。互いの、それぞれ異なるいのちと生き方をみとめあう (愛)を育む。

関係をつなぐ
(2つの線が交わる、または2つの先が触れ合う形:関係)
基礎のつながりによってものごとの理解を進め、新しいつなぎの試みで発見を促す。
天秤的に対立させて考えるだけでなく、重ね合わせ、一体化した関係のイメージ思考を支える。そうしながら人と人をつなぐ。

平和
(永くつづき、つらなる形:永遠/ずっと続く状態) + (コマが回りながら均衡を保つ形:調和/均衡)}:平和
自然の中で様々な歴史を抱えたいのちある存在が関係し合い、それぞれが働き動く中で、つねに新しい調和をたもつように、グローバルなヒト社会全体の動きがさまざまな個人を結ぶネットによって安定するのを伝達と情報の整理能力で永く支える。地球語自体も、回転の輪を広げながら安定に向かう。


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