地球語の創案者 McFarland Yoshikoについて

地球語発想の背景


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生い立ち

1941年12月07日(真珠湾の前日)三橋佳子の名で大阪市に生れる。
幼児期に、軍医だった父親の外地での戦死と大阪空襲を体験。
母親が高校教師の職を得て、姉兄とともに隣県の天理学園で育ったあと、
64年京都市立美大(現芸大) 工芸科を卒業。
学生時代には、よく奈良薬師寺に法相宗の講和を聴きに行く。
「欧米に見習い追いつけ」の時代の中、逆に地方に根付いた
日本文化のルーツに触れたくなる。

のちに、誕生日がUSでは真珠湾当日:最も醜い日とみなされていることを
知ったショックから、戦争を起こすのとは反対の、慈悲・愛がひろがる創造
をしたくなり、地球語の発想を生む原動力となった。

WW2下、お手伝いさんと留守番。会話の機会が少なかったので、
ことば思考が遅れ視覚思考が代わりに発達したかもしれない。

天理では、世界中の人々はみな兄弟姉妹だと刷り込まれた。
高校数学で、「2点間を結ぶ直線は1本」と教えた後、「しかし諸君、
自然界には直線などなく、2点間を最短距離で結ぶ線は無数にあるんじゃ
ないかね?」と問いかける先生に師事、常に反対側からも考える
面白さを知らされた。

染色画家時代

1966年最初の結婚によって藤田佳子
となり、島根県松江市郊外に居住。
米子の染色家藤原一善さんとの
出会いに感動、教えないという師に、
では、盗ませてくださいと、
ろうけつ染めの見習いに通い、
老子的な彼の考え方や生きざまにも
大きな影響を受ける。
一男児の母となり、住居兼仕事場を
半ば手作り建築しながら
染色画家として受注製作を重ねる。
 (右は、米子の寿司店の壁画。もっと写真をみる


一方、「出雲国風土記」を手に
古代出雲の神話世界が息づく
山陰の行事や遺跡を訪ね歩き、
古代世界のファンタジーを描いて、
中国地方で個展を重ねる。
地方新聞エッセイ連載やNHK全国TV
などにもとり上げられるようになる。

運命のいたずらで渡米を決めてから
それまでの集大成として、出雲古代、
稲作夜明け時代の母神とその子らを描く
物語『空の彼方からカモス』を自費出版。

(左は古代航海人。もっと写真を見る

わずかな種類の植物染料と媒染剤が組み合わせを変えて重ね合わせることで
多様な色合いを生み出すしくみが、地球語の重ね文字案を引き出した。

また、火きり神事や大しめ縄作りに参加した体験から、縄文時代の原出雲人が
「異なるものの結びこそが創造の原点」だと、行事を通して延々と現代まで
メッセージを託しているのを感じた。

1985年カリフォルニアに招かれ、キリスト教以前の欧州や米先住民の
世界を覗き見、古代には地域文化差が少なかったと気付く。

渡米そして地球語時代

1987年、深く根を張り、愛した出雲の地と家族から離れ、渡米。
サンフランシスコで再婚して McFarland Yoshiko となる。
英語の準備が皆無だったためカルチュア・ショックに悩む中、
翌年電撃的に「地球語」を発想。

言語は門外漢、論文体験もなかったが、考えれば考えるほど
未来世界に地球語の必要性を感じ、気づいたときには
画家としての可能性をほとんど振り捨て、伝達に関するさまざまを独学し、
寝食も忘れて地球語の具体化に没頭していた。
染色家時代の旧友の多くが「彼女は狂った!」と去る中、
日米の家族や新しい友人たちに支えられて続けた。

地球語の閃きのきっかけ:
美術館で1500年前の中国人の書を観て、意味がわかった。
近所の中国人の会話はまったくわからないのに、
漢字では伝わるというショックが、「視覚記号を合理化すれば、
それぞれ母語で読みながら対等に伝達でき、
氾濫する情報も整理できる新言語は可能!」と、
まるですでに存在するもののように、記号の広がり・塊が
一瞬に湧き上がり、仕組みが透けて見えた。

多人種の住むアパートの管理人をしたり、歴史上の国際市場
を模したルネサンス・フェアやディッケンズ・クリスマス・フェアで
スケッチャーなどしながら、現実の文化差やそれらの
歴史的背景について肌で学ぶことができた。
書物からでは理解困難な特殊な音声を
アフリカ人に発音してもらったりもした。

この後の「地球語」関連のヒストリーについては「地球語これまで」をご覧ください。

準備中の地球語は経済を支えてはくれない。
そんなライフワークを選択したお陰で、
お金には無縁のところで暮らしを支え、楽しむ術が発達した。
廃品や自然の落し物からの衣類・インテリアへのリフォーム、
雑草をおいしく食べる、医療を受けなくてすむよう体の管理、
ただいるだけで幸せを感じる術、俳句や俳画の楽しさも知る。

(記事:2008年1月更新、写真左は、2004年8月)
Eメール: yoshikom(at)earthlanguage(dot)org
(ただし、上のアドレスの(at)を@に、(dot)を.に取り替えてください。’)

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