地球語のワをひろげる


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地球語案の着想から20年が経過しました。
孤軍奮闘時代から世界中で検討しひろく実用に移行すべきときに達しています。
資金もなく、ひろげる具体策に悩んでいたところ、グーグルが「プロジェクト10の100乗」を立ち上げ、「世界のできるだけたくさんの人々の役に立つ画期的なアイデア」を募集しているのを知り、締め切り間際に英語で応募しました。

これに採用されるされないにかかわらず、地球語の次のステップは応募内容の提言を実践に移すことです。そこで、異例かもしれませんがその内容をここでも日本語訳して公開します。このプロジェクトの候補は、2009年1月27日に100案に絞ら、そこからまた公開投票で絞られる予定でしたが、15万以上もの応募があり、選考が長引いているそうです。地球語がもしその候補に入れば、ぜひ地球語に投票してくださいね。
地球語の目標にご賛同の方は、何らかの形で’推進できるようどうぞご協力をお願いします。

November 10, 2008 Yoshiko McFarland

「プロジェクト10の100乗」への地球語の応募内容

募集に応じたカテゴリー(選択):

コミュニティ:人々を結びつけ、コミュニティを形成し、固有の文化を保護する

★ 10-15の質問への答え:

10, アイデアを1文で説明してください。 (150字以内)

世界の人々のコミュニケーションと創造活動を助けながら、同時にあらゆる言語・文化を構造的に護る、自然基盤の新しい思考と伝達の手段を推進し普及させようという提案です。

11. アイデアを詳しく説明してください。(900字以内)

地球人が共有するためのこの新思考手段に「地球語」と名づけ、私は20年がかりで具体案を練り、ウェブサイトで提案しています。

地球語は、「特定の文化」ではなく「人間に共通の感覚と自然要素」に対応する視覚記号を基に展開する言語です。「1+2=3」を誰も外国語とは思わないように、それぞれの母国語で読みながら母国語では困難な伝達をまとめて補助する言語です。単純な形の70の基礎記号を重ね合わせることで、意味の象形または意味の組み合わせを示す新記号を必要に応じて産む学びやすいしくみをもちます。

伝統言語は地域文化に基づきますが、自然に基づく地球語を併用すれば、地域人であると同時に地球人としてのもうひとつの視角が開きます。そんなしくみの中では、互いに相手の文化や分野を自然に尊敬し合い、隔てのないまるい世界をもたらせるはずです。

現実の世は単純ではありません。文法も基本的な考え方も多様ですし、世界は情報の洪水です。また、身体障害による伝達上の問題もあり、今健康な人も明日突然視聴覚や運動能力を失わないとは限りません。現在どの言語もそれらの問題を同時に対処するようにはできていません。

地球語は、将来に持続してゆくグローバル社会を最初から想定して仕組まれています。単語の意味伝達以外に、柔軟で確かな文法、合理的な情報整理能力、どんな音声でも発音の仕方が見てわかる表音のしくみも備えます。さらに視覚記号がマルチ手段に展開して学習記憶を助け、付加的な努力なしに手話、身振り、触覚、音声などから時と相手に応じた手段で表現できます。伝統言語の諸問題をまとめてすべて一構造で補助するのが地球語です。

しかし地球語がどんなに工夫されても、世界に広まらないことには能力を発揮できません。「プロジェクト10の100乗」が、世界中のさまざまな立場の人々に地球語の考え方を知ってもらい、共に推進する場造りになればと希望します。

12, 取り組もうとしている問題や課題は何ですか?(450字以内)

これまでの人類史に「全ての地球人のための共通補助言語」は存在しません。音声で伝える共通語は、普及によって弱い伝統言語と文化をつぶしてきました。伝統言語が共通化する限り、マイノリティとマジョリティの対立・摩擦はなくなりようがありません。視聴覚に障害を持つ人々は、それゆえに特別の感覚が磨かれていると思われますが、現況では健常者にとって彼らの声を聞く機会はめったにありません。彼らの多くは福祉の世話になる立場として肩身狭く社会の隅に縮んでいます。

地球語は、言語や障害の壁を乗り越える対等な交流と視野をひろげる希望をあらゆるマイノリティに与えます。地球語の開発と普及のためにマイノリティならでの可能性と情熱を巻き込みながら、世界は活性化できます。9/11以後の世界は終末イメージの暗さに包まれましたが、地球規模の新しい思考手段を出発させ、そんな今日の人間性の闇に希望の光を注ぎます。

13. アイデアが実現したら、誰がどのような利益を最も受けることになりますか? (450字以内)

地球に生きる全ての個人に平等に利益をもたらします。どのようにかといえば、
・心が自然およびグローバルな視野にひろがる、
・地球語で考えることによって統合的な世界像がイメージしやすくなる、
・どんな状況下でも誰ともコミュニケーションが可能になる、
・創造への新しい方法を獲得する、などです。

言語は思考を運ぶ器です。地球語の基礎記号が示す普遍的イメージを通して、使用者はものごとを持続性のある捉え方で見がちになります。そのため彼らは刹那的な喜びよりも恒久的な真実や美に関心を向ける可能性が高くなります。そのような心が行動を起こせば、地球上の命の循環システムもまた健康を取り戻すという地球語からの間接的利益を受けるかもしれません。

14. このアイデアを実現するには、まず最初にどのような行動が必要となりますか? (450 字以内)

目玉は、インターネット上で地球語字典の共同建設ひろばを設けることです。地球語フォントを自由に使えるweb2.0方式のひろばです。地球語字典は地球語のしくみ全体にむすびつく情報を含みます。記号の設定に当たって詳細を多文化・多分野のなかで討議検討し、多言語で解説していきます。

その前に次の工程も必要です。
1) 地球語や多言語を使える技術的サポート
2) 地球語のフォント・文法・表音方法など、基礎部分の確定
現在地球語はすでに使用可能です。けれどもまだ私の提唱する具体案としてまな板上で待っているところです。フォントも、現状では地球語としての使いやすさではなく、USキーボードに合わせて憶えやすいように仮設定されたままです。地球語を立ち上げるには、ひとつの脳で全体がつながる巨大ネットをイメージしないとできませんでしたが、いよいよ大勢で実用するには、あらゆる方面の脳がよってたかって原案を検討し、より確かな基礎を定める必要があります。

字典をずっと育てつづける地球語ひろばは、過去になかった楽しい発見の場所です。それを利用したさまざまな創造活動の輪もそこからひろがります。

15. アイデアが実現した場合に得られるべき成果はどのようなものですか。また、それをどのように評価しますか? (450 字以内)

どの言語も完成はしません。地球語も地球人と共に常に育ち続けるので、これは短期間プロジェクトではありません。地球に戦争や公害を撒き散らした私たちにとって、地球語を準備し次世代に伝えることは一種の義務だと私は感じています。

けれどこの機に、もしひろく世界からこの案に関心が注がれたなら、地球語が全ての文化・言語を仲介し、マイノリティ問題の消える日は早く訪れるでしょう。そして地球語推進の過程において、教育用品・ゲーム・利用デザインなど多くの関連商品や新職業が天然資源に頼らずに産み出されて行きます。また、字典建設のため討議する間で、互いの文化基盤の違いを知って国際間の理解を深め合うことができ、貨幣獲得競争のストレスに心身をすり減らすよりも国際協力に喜びを見出す人々が増えると予想できます。

他の言語と違って、地球語はたとえ今日知ったばかりでもすぐにそれを自分個人用に利用できます。多様な働きをする地球語にはたくさんの入り口があります。たとえ少しだけでも利用してみると楽しく、次第に利用範囲を広げたくなるでしょう。そうして次第に世界がつながる喜びを分かち合えると信じます。

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